そもそも呼吸法って??
呼吸法とは?
音声チックを改善(コントロール)する為のテクニックです。
瞬きや首振りの運動チック、咳払いや発声の音声チック、様々なチック症状が存在します。
それらには全てチックトリガーや、チックの悪化因子、原因が必ず存在します。
勿論チックの根本的な原因は大脳基底核、前頭葉、神経伝達物質など脳機能のエラーであったりします
しかし脳機能の問題とは別にチックの悪化因子は存在するのです。
例えば首振りの運動チックは、少なくとも2種類のパターンがあり、それぞれチックトリガー悪化因子は異なる物もあります。
首振り(頭を左右に振るタイプ)運動チックを1つの例とします。
この運動チックの前駆衝動は基本的に頭に発生します(全ての方がそうとは限りません)、そしてその前駆衝動を増幅させるのが、チックトリガーやチックの悪化因子です。
では頭を振るチックのチックトリガー、悪化因子はなにか?
難しい勉強や仕事、脳の興奮要素、焦り、ストレス、プレッシャー、頭痛などの刺激…etc
これらを取り除く事でチック症状を軽減することが出来ます。
では音声チックのチックトリガー悪化因子は何だと思いますか?
※ここで言う音声チックとは、声を発する音声チック(叫び声、反復・反響言語、汚言症など)
勿論ストレスや興奮など基本的なチックトリガーはその他のチック症状同様に存在しますが、
最も重要となるチックトリガーは実は
『 呼吸 』
そのものなのです!!
間違った呼吸をすれば、音声チックの前駆衝動は増幅し、音声チックの回数はどんどん増え、そのボリュームも大きくなってしまいます
しかし正しい呼吸を行う事で、前駆衝動を鎮め、新たな衝動を起こりにくくします。
これを私は『音声チックの為の呼吸法』とし、当事者に指導しています。
行動療法であるCBITの中にも音声チックの拮抗反応として呼吸が存在します
それは、前駆衝動を感じたらDeep breath(深呼吸)や腹式呼吸をして下さいと、とてもアバウトなものです。
軽度の音声チックであればそれで改善可能な場合もありますが、前駆衝動が強い音声チックには、その呼吸では対処が難しい事もあります。
呼吸を体系的に、そして個々の特性に合わせプログラム化させたものが『 呼吸法 』です。
※厳密には呼吸法はまだ進化の段階であり、現在は1人でも多くの方がより確実に効果を発揮できるよう更なる研究を行っています。
音声チックは数あるチック症状のなかでも、著しく当事者のQOL(生活の質)を低下させます
当事者だけに限らず、その家族のQOLも低下させます。
私自身も音声チック(絶叫系)のせいで、学校は勿論、家庭環境、仕事に多大なる悪影響をもたらしました。
運動チックは最悪見られなければ、音さえ出なければ、どんなに激しく症状が出ても気付かれにくかったりします
しかし、音声チックは隠したい相手が後ろを向いていても、自分が隠れていても、声は聞こえてしまいます
奇異な目で必ず見られます、注目されてしまいます、偏見や誤解の元になります
音声チックのせいで、当事者は家から出る事が怖くなってしまうかもしれません。
私は必死に改善出来る方法を探しました
東京大学医学部附属病院でCBITのセッションを受け、そのやり方、原理・理屈を何十時間もかけ、丁寧にご指導していただきました。
全てのセッション終了後、自分自信の体を実験台にし、検証に検証を重ねた結果、現在の『 呼吸法 』に辿り着き、自分の音声チックを自ら改善する事が出来ました。
そして今は、私の経験を元に複数の当事者にCBITや呼吸法、つまりトゥレットの為の包括的認知行動療法として指導させていただいております。
※呼吸法は全ての方に効果を発揮するとは限りません、これまでの私のセッションから改善度合いも個々様々です、しかしながら音声チックに対する有効な対処法だと私は思います。
私はこの『 呼吸法 』を音声チックで悩む方々に、1人でも多くの方に伝えたい、その一心で活動をしています。