アンガーマネジメントとは?
以前もアンガーマネジメントに関して投稿致しましたが、先日テレビでも同様の内容が少し放送されていたのでその要点をまとめ記載致します。
その前に一つ質問です!!
そもそも怒りとは何に対しての感情でしょうか?
家族や友人、若しくは職場の同僚や上司などの人に対しての感情ですか?
又は人に対してではなく出来事に対してですか?
誰かが自分の望む通りに行動をしてくれないからその人に対して怒りを感じるのでしょうか?
同様の事を他の人が行ったとしても怒りますか?
誰にでも同様に怒るのであれば、その出来事に対して怒っているのでしょうか??
答えはどちらでもありません
怒りの原因はあなた自身の中にある
『 ○○べき 』です。
世の中には様々なルールやマナー、規則や法律があります、そして私達自身の中にも○○べきという拘りなどがあります。
それらを誰かが違反する逸脱する、自分が思っている通り行われなかった時に怒りの衝動は沸き起こるのではないでしょうか。
ではどうしたら怒りの衝動をコントロールできるのか?
そもそも怒ることが悪いことではありません
問題なのはその怒り方にあります。
反射的、感情的に怒るのではなく、当然ながら暴力など誰かを傷つけること、物にあたることは許されるものではありません。
「衝動→行動」の様に反応的に怒るのではなく
「衝動→思考→行動」の様に間に理性をいれる事が大切です。
トゥレット当事者会ではトゥレットの認知行動療法(ハビットリバーサル等)を当事者に指導させていただいておりますが、チックと同様「怒り」に対しても、どの様に認知するのかが大切なのだと私は思います。
すでに起こった知覚(出来事)は変えることは出来ません、先ずはそれに対する受け止め方、そしてどの様に行動(怒る)するのかがポイントです。
しかし瞬間湯沸かし器のように、いわゆるキレてしまう方もいらっしゃると思います、そのような方は怒る前に6秒だけ我慢して下さい
なぜ6秒かと言いますと?
怒りを感じる場所は、本能的行動を司る大脳辺縁系、そこから怒りを制御しようとする前頭葉に3~5秒かけ伝達されます
そして前頭葉から1~2秒かけて再び大脳辺縁系へ怒りを制御する指令が伝わります。
つまり怒りの衝動を感じてから、おおよそ6秒後、前頭葉からの指令により、理性が働きやすくなるということです。
しかしそうは言っても簡単に実行できないのが私達当事者であったりします(アンガーマネジメントは当事者に限らず一般の方にも参考に出来る手法だと思います)
なぜならそもそもチック・トゥレット症の当事者は、様々な動きを制御しようとする前頭葉の発達に問題がある為、チック症状が現れているのではと考えられています。
そこで今回テレビで紹介されていたのは
怒りの温度計を意識すること
人生最大の怒りを10としたら、今回の怒りはどのくらいでしょうか?先ずはそのような事を考えてみてください
もしかしたら人生最大の怒りに比べれば、今回の出来事はそれほど大した事ではないかも知れません
そしてどの程度であれば許せる範囲だったのか?
出来れば「まあ、許せる範囲」を広げて下さい。
そんな事を考えているうちにあっという間に6秒など経過してしまうことでしょう。
これらを直ぐに実践するのは難しいかもしれませんが、頭のどこか片隅にでも置いていただけたら、少しずつ何かが変わっていくかもしれませんね。
今回のアンガーマネジメントのおさらい
- 6秒ルールの実施
- 「衝動→行動」ではなく「衝動→思考→行動」
- 変えられない現実を受け入れる
- 怒りの温度計を意識する
- どの程度であれば許せたのか考える
- まあ、許せる範囲を広げる
- 怒る事はいけないことではない(動物の本能)
- 怒っていいが言葉で上手に伝える
※トゥレット症(トゥレット症候群)に併発しやすい症状の一つに「怒り発作」というものがあります、「○○べき」だけではなく、○○したいが上手に出来ない自分に苛立ち、怒りが生じる場合もあります、そのような時はお子さんが落ち着きを取り戻した際に、何に苛立ちを感じていたのか?その問題解決に一緒に取り組んで上げてください、その後の怒りの衝動が少しずつ和らぐかも知れません。