行動療法でチックを改善させる為には、先ずは前駆衝動に気付くこと
チックが出る前のムズムズ感や、ゾワゾワ感、圧迫感や何かしっくりこない違和感etc…それらの事を前駆衝動またはチックシグナルといいます
ハビットリバーサル(習慣逆転法)という行動療法を行う際に、まず初めに行うトレーニングを「アウェアネストレーニング」(気付きの練習)や「catch the tic」などといいます。
やり方はとてもシンプルです、親御さんとお子さん(当事者)2人で椅子などに向き合って座り、ターゲットにしたチックが出そうになったら、つまり前駆衝動を感じたら、お子さんが「チックが出そうです」と親御さんにわかるように手や指あげます
逆にお子さんが前駆衝動に気付けず、無意識でチックが出てしまった場合は、親御さんがそのチックに気づいた時点で、「チックが出たよ」とお子さんにわかるように手や指を上げます。
アウェアネストレーニングを毎日数十分程度ターゲットにしたチックが出やすい環境で行います
上手く効果が現れれば、無意識で出ているチックが徐々に有意識に変わってきます
※十分なトレーニングを行っても有意識になりにくい場合もあります
有意識になって初めて拮抗反応や呼吸法を行いチック症状をコントロールすることが出来るようになります。
しかしながら、アウェアネストレーニングを行っているだけでチックが軽減していく場合もあるのです
また、当事者が最も支障を感じているチック症状を改善する事が出来ると、ターゲットにしていないその他のチック症状含め全体的にチックが軽減していく事もあります
チックとは、場合によってはちょっとした意識の変化だけでも改善してしまうことがあるのです
意識だけではなく、ストレスや環境の変化も然りです
逆をいえば、ちょっとした事で悪化してしまう事も、それだけ当事者の子は繊細で敏感なのです。