舌や頬粘膜(頬の内側)を噛んでしまうチックの改善方法は?
口腔内や口元には様々なチック症状が現れます、それだけ神経が大変敏感な場所なのかもしれません。
具体的にどの様なチック症状があるのか↓↓
- 舌を歯で噛むチック(前歯や奥歯)
- 頬粘膜(頬の内側)を噛むチック
- 上前歯で上唇の内側を引っ掻くチック
- 歯に舌を擦り付けるチック
- 唇を噛むチック
- 歯ぎしりの様なチック
- 歯をカチカチさせるチック
- 歯を強く噛み締めるチック
- 口を尖らせるチック
- 口を大きく開けるチック
- 口元を歪めるチック
- 唇の周りを舐めるチック
- 唾を吐くチック
- 顎をポキポキ鳴らすチック
- 顎を叩くチック
- 唇をつねるチック
- 巻き舌の音を出すチック
パッと考えただけでもこれだけ出てきますが、細かい事を言えばまだまだ沢山あります。
上記の中でも、特に発症しやすく且つ生活の支障度の高いチック症状が、舌噛みのチックなどの口腔内を傷つけてしまう自傷系の複雑運動チックです。
口腔内のチックが悪化してしまうと、痛みにより、食事をする事が難しくなってしまう事もあります。
当事者の方がよく行う対処法に、マウスピースやタオルを咥える、口腔内の薬を使ったりする事もあります
また、口内炎を発症しにくくする、傷の回復を早める為にビタミンBの摂取を行ったりしますが、上手く対処が出来なかった方も多いのではないでしょうか?
舌噛みのチックは、基本的に舌の僅かな前駆衝動、違和感などからチックが発症し、徐々に悪化していくのですが、口内炎などをきっかけに発症してしまうこともあります。
前駆衝動とは、チックが起こる前の体のムズムズ感やモヤモヤ感、チックの種類や個々にその感覚は異なりますが、実はこの前駆衝動がチックの正体、そして舌を噛んだり頬粘膜を噛む事により生じる傷口の痛みが、更に前駆衝動を強くしてしまいます(ストレスなどの心理的要因も悪化の原因のひとつ)。
つまり、口腔内の自傷系チックを改善させる為には、噛まないこと、傷をつけないこと、傷を治すことが先決です。
しかし、「噛まない・傷を付けない」ということがなかなか出来ない、そもそもそれ自体がチックであるから抑えられないという方が殆どだと思います。
その「噛まない・傷を付けない」という、チックの動作をブロックする方法が、ハビットリバーサルや呼吸法です、これらを練習すること、そして正しく心理教育を行うことにより、徐々にチック症状をコントロールする事が出来るようになってきます。
先日、当会のチック症状への認知行動療法を受けた複数名のお子様たちにも同様のチックがありましたが、チックを少しずつ出さない行動療法を行い、傷口が改善していくと共に前駆衝動が弱くなり、そして徐々にチックの出る頻度、チックの強さが軽減し、今はターゲットにしたチックが殆ど、若しくは全く出なくなりました。
しかしながら、チックが消失軽減したからといって、チックが再発再燃しないわけではありません。
チック症・トゥレット症(症候群)当事者は、基本的にはチック症状が出やすい体質だとお考えください。
アレルギー体質などと同様に、その体質は簡単に変わるものでもなく、1年を通して、症状が出やすい、悪化しやすい時期やタイミングあり、私達はそれらを把握し、チックを悪化させず穏やかな状態を維持する、体調管理のようなことを意識する必要があるのです。
当事者によっては、その穏やかな状態が、殆どチックがない方もおられるでしょう、ベースとなる前駆衝動が強い方は、目立つチックがあっても、その状態がその方にとっての穏やかな状態である場合もございます。
チック症状への認知行動療法(CBIT/ハビットリバーサル・呼吸法・ERP)とは、実はその様なチックの仕組みを学び、正しく対処を行い、チックを悪化させず、上手に管理コントロールする手法を身に付ける療法だと私は考えています。
私自身もこの療法をまだ知らない若い頃、舌を血が出る程噛んでしまうチック、頬粘膜に穴が空いてしまう程噛んでしまうチックがあり、大変苦しんだことを覚えています。
当会では、私自身のチックの経験も元に、チック症状への認知行動療法を当事者に行っています、症状が悪化すればするほど、行動療法は大変になってしまう場合もあります、酷く悪化してしまう前に是非当会にお問い合わせください。
ご相談のみでもお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ先▶✉ tourette.jp@gmail.com
※チック症状への認知行動療法の効果は個々に異なり、全ての方に同様の効果があるとは限りません。しかしながら、当会でセッションを受けた多くの方に、顕著な効果を発揮しています。また、投稿内容は私の臨床データを元に記載している為、私見が含まれております。