リラクセーションの為の呼吸法を練習しましょう

現在、チック症状への認知行動療法(CBIT/ハビットリバーサル・呼吸法・ERP)のお申し込みを頂いてから、インテーク面接まで約1.2ヶ月、その後初回のセッションが開始されます(緊急性がある場合等この限りではございません)。

おおよそですがセッション開始まで現状約2.3ヶ月待ちの状態なのですが、是非それまでに練習して頂きたいことがあり投稿いたしました。

もちろんそれは「呼吸法」です。

呼吸法といっても実は様々な手法があるのですが、セッション開始前に是非練習していただきたい呼吸法は、腹式呼吸(深呼吸)をチックの方の為に少しアレンジした、リラクゼーションを目的とした基本的な呼吸法です。

セッション時、特に小さなお子様に呼吸法を練習していただこうとすると、大半のお子様が最初は全くできません

大人の私達からすると何でもない呼吸法が、小さなお子様にとっては難しい場合があり、とてもぎこちなくなってしまいます

自発的に呼吸を整えようとする事など、お子様の場合、初めて経験することだと思うので当然かもしれませんね。

しかし、数日練習するだけでとても上手に出来る様になる子も、そして驚くべき事にそれだけでチック症状が軽減してしまう子も中にはいらっしゃいます。

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基本的な呼吸法のやり方

❶ 椅子や床に座り、背筋を伸ばしリラックスした姿勢をとる。

練習初期は出来るだけ同じ場所で行う。座位で上手く出来ない場合は、ベッドやソファなどで仰向けに横になって練習。

目を閉じて呼吸法を行うのも良いが、目を閉じるのが苦手なお子様は、どこか一点を静かに見つめながら行う。

❷ 先ずは体にある空気をゆっくりと全部吐き出しましょう。

❸ 鼻または口からゆっくり(4秒前後で)息を吸い、2秒間息をとめ、吸った時の倍くらい時間をかけて更にゆっくり(6秒~8秒くらいで)力を抜きながら少しずつ息を吐く。

鼻または口どちらから息を吸うべきかは、お子様がやりやすい方を選択してください。リラックスを目的とした場合は鼻から、音声チックを対処したい場合は口からの吸気が良い場合も。鼻炎などで鼻から上手に息が吸えないお子様は、口から息を吸ってください。カウントはあくまでも目安です。

ゆっくり息を吐くことが難しい場合は、口をすぼめながら細く長くゆっくりと息を吐いてみましょう。

❹ 息を吐くと同時に少しずつお腹が凹んでいき、息を吸う時は胃のあたりを中心に上半身全体を自然に膨らませながらしっかり息を吸う。

息吸ったを胸の下やお腹の方へ送り届けるよう、横隔膜を押し下げるように吸う。

息を吐く時は風船がしぼんでいく様に、逆に息を吸う時は、風船が膨らむ様に自然に上半身が膨らんでいくイメージで、力を入れ過ぎず、リラックスして、そして静かにそっと、当事者が心地良いと思える感覚を大事にしながら呼吸を続ける。

❺ この呼吸法を朝昼晩など先ずは1日3回、5分ずつ、呼吸だけに集中し、意識的にリラックス出来るよう毎日練習する。

呼吸法を行っていると、あくびが出たり、眠くなってしまう事がよくありますが、それらは悪い事ではありません。寝付きが悪い子は、就寝時に呼吸法を練習する事で、入眠が改善される場合もあるかもしれません。

❻ 呼吸法が落ち着いて上手に出来る様になったら、少しずつイライラしやすい時や、不安が強い時、チック(特に音声チック)が出やすい状況の前などで毎日常に練習する。

音声チックがない方は運動チックが出やすい状況で練習する。何かを同時に行いながら呼吸法を練習するのも良(例:TVやYouTubeを見ながらなど)。

セッションが開始されるまでは、この呼吸法でチック症状を軽減させようと思うのではなく、意識的に呼吸を整え、リラックスすることを目的として練習してください。

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セッション開始前に呼吸法を練習して頂くだけでも、その後のセッションがよりスムーズに行える可能性があります。

また、セッション開始時に、幸いにもチックが申し込み時より随分と軽減してしまった、なんていう事もあります

チックが目立たなくなってしまったから認知行動療法を行って頂くのは申し訳ない、などと思われる方もいらっしゃると思いますが、一過性のチック症でない限り、再発や新たなチックが発症する可能性はあります。

その様な時の為に、親子で、または当事者自らがハビットリバーサル(CBIT)などを行えるよう指導もいたしております

症状が一時的に落ち着いてしまったからと、ご遠慮されることなく、是非セッションをお受けください。

当会では親御さんにもこの方法を学んで頂き、セッション終了後も、仮に新たなチックが発症したとしても、親子で対処して行けるよう、指導およびサポートをさせて頂いております。

現在、国内にCBITを含めたチック症状への認知行動療法を行える療法士(セラピスト)はとても少ないです、この療法が医療従事者や支援者の方々に普及するまでの間、当会では積極的にチック症状への認知行動療法(CBIT/ハビットリバーサル・呼吸法・ERP)の指導、近い将来には保護者向けの講習会等もおこないたいと考えています。

その際は、当HPやオンラインコミュニティ、SNS(TwitterFacebookInstagram)より告知させて頂きますのでフォローなどして頂けましたら幸いです。