チック症トゥレット症の病院の選択
チックかなと思った時、どこの病院に行くべきか悩まれる方も多いと思います。
チックは幼児期から小学校低学年の頃に発症することが多いかと思いますが、その頃であれば、先ずはかかりつけの小児科を受診するのが良いと思います。
軽症であれば環境調整を行いながらの経過観察、生活に支障のあるチックが発症している場合は、お薬や漢方が処方される場合もあります。
チックが激しく出ている場合、より詳しい医師に診ていただきたいと思われる方も多いと思いますが、地方ではなかなか難しいのが現状かもしれません。
先日、トゥレットの専門医より病院の選択の仕方としてアドバイスを一ついただいたので記載いたします。
一言でトゥレットといっても症状は様々でありますが、考え方として大きく二通りに分けることが出来ます。
①強迫や精神疾患が強く、それらが引き金となりチック症状が発症する、または悪化することが多い場合は ⇒ 精神科(強迫や不安障害などに詳しい医師)
②運動チックが強い場合 ⇒ 神経内科(ジストニア・振戦・パーキンソン病など不随意運動に詳しい医師)
個人的な見解ですが、汚言症などの複雑音声チックや汚行(社会的に不適切な動作)、やっては行けないと思うと余計やりたくなってしまう強迫的なチック、拘りが強い方、緊張や不安などストレスによりチックが悪化する方は①の考え方。
運動チックが環境や状況にいくらか影響されるものの、無意識で勝手に起こってしまう場合が多い、殆どのチック症状が自分の意思とは関係なく起こる方は②の考え方。
これまで当会でのセッションやご相談を受けてきた方々の症状を踏まえると、①の傾向が強い場合が多く、次に多いのが①と②の傾向が併発しているパターン、最も少ないのが無意識の運動チックが主症状となる②の方です。※年齢によっても異なるかと思います。
無意識の生活に支障のあるチックが多い場合は、薬物療法や環境調整をしっかり行うこと、薬物療法もなかなか当事者にあった効果のある薬が見つからない場合もあります。
トゥレットの治療は根気、忍耐が必要です。
病院選びから始まり、薬もただ服薬するだけではなく、どれだけ効果があるのかないのか?副作用はどうなのか?様々なチックの悪化因子(チックトリガー)と共にしっかり見極めることが大切です。
暫定的チック症(一過性)でない限り、治療は長期に渡ることが多いかと思います。
焦らずゆっくり、当事者の意志を尊重しながら治療に取り組んでいただけたらと思います。