トゥレット症は遺伝するのか?
先日、国内のトゥレット症に関する第一人者である東京大学医学部附属病院の金生医師に表題について伺ってみました。
ー トゥレット症は遺伝するのか? ー
トゥレット症(トゥレット症候群)は多因子性であり、基本的には一つの遺伝子の結果発症するものではないとの事
複数の遺伝子の影響によりトゥレット症は発症する。
つまり、トゥレット症でない両親からトゥレット症を発症する子供が生まれる可能性もあり
また、トゥレット症である両親から必ずしもそれらの症状を有する子供が生まれる訳でもなく、代々家系に受け継がれるものでもないという。
しかしながらトゥレット症当事者の家族群と、そうでない家族群を比較した場合、トゥレット症当事者の家族群の方が軽度のチック症を含め、それらの症状を有する人は多いであろうとの事
また、重度のトゥレット症当事者から重度のトゥレット症当事者が生まれる可能性も高い訳ではなく、チックになりやすい体質だから症状が重くなる訳でもない
寧ろ何でもない両親から突然変異かのように、何らかの影響を受けて生まれてきた子が重症化しやすい場合もあるとの事。
確かに私の知る限り、私の親族にトゥレット症・チック症である、またはそうであった人はいません。
以前にも同様の内容について別の医師からお話を伺った事があります、トゥレット症の親からトゥレット症を発症する子供が生まれる確率は、そうでない親の子供と比べると、僅か2~3%位高くなるだけであるとの事
これらの話はチック症・トゥレット症だけに限らず、ADHDやASDなどその他の発達障害にも同様にいえる様です。
しかしながら、なんらかの発達障害を有する人は10人に1人とも言われる時代、グレーゾーンの人も含めたら…?
遺伝する可能性のある疾患はその他にも多々あります、パートナーが健康である事、将来産まれてくる子が健康である事を望むのは誰しも同じであると思います
もしチック・トゥレットの当事者である親御さんが、ご自身のせいで子供に遺伝したのではと考えている方がいらっしゃったとしても、決してご自身を責めないで下さい
ましてご自身の育て方や、躾のせいで発症したなどとも
私はトゥレットして数十年生きてきました、地獄の様な日々を送っていた時代もありましたが、もし私がトゥレット症でなかった場合、はたしてこれ程までに生きがいを感じ、人生を歩む事が出来ていただろうか?明確な目的を人生に持つ事が出来ていたであろうか?
私はネガティブな事を考えるよりか、はるかにもっと大切にすべき事があると思います。
トゥレット当事者会として様々な当事者にお会いしてきました
症状の度合いは様々ながらも、彼ら彼女らの笑顔は何にも変え難いものがあります
それらを感じながら当会も前に進んで行けたら幸いです。
しかしながらチック・トゥレットで今を苦しんでいる方がいるのも事実、1日も早く確実な治療法が見つかる事を願いつつ、当会が出来ることを精一杯行って参ります。