薬物療法/エビリファイ(アリピプラゾール)について

チック症・トゥレット症(症候群)当事者によく処方される薬の1つにエビリファイ(アリピプラゾール)があります

統合失調症、双極性障害、うつ病、自閉症スペクトラム等の薬ですが、チック症状にも効果がある場合があり処方されます。

今回は、私の実体験、医師や当会のコミュニティのメンバー様よりお伺いしたお話をまとめ、アリピプラゾールに関する私見を投稿させていただきます。

そもそも薬物療法の効果は個々に異なり、チック症・トゥレット症患者に処方される薬も多くの種類があります

その中でも最初に処方される可能性が高い薬の一つがアリピプラゾールです

第一選択肢となりやすいという事は、様々な薬の中で特に効果の期待できるものであるということ。

しかしながら薬物療法を行っている方からすると…

薬って効果あるの?

効いてるのかどうかわからない?

飲まないよりかはなんとなくマシ?

副作用は大丈夫なの?

などというご意見が聞こえてきます。

投稿している私自身は、薬に対して少なからず効果を感じている為、薬物療法を継続しています

そして薬物療法で劇的にチック症状が改善される方がいるのも事実です。

コミュニティ内のメンバーの方や、実際にお会いしてお話をお伺いした方、当会の認知行動療法のセッションを受けている方、何人もの方が薬物療法によりチック症状が軽減されています。

その中でも特に効果があるとお聞きするのがアリピプラゾール(エビリファイ)です。

※個人的見解なので絶対ではありません

私自身もアリピプラゾールを試した事がありますが、残念ながら私の場合はベネフィット(効果)よりリスク(副作用)の方が高かった為、服薬を中止いたしました。

この時私が感じた副作用は、眠気と軽いアカシジアです、アリピプラゾール服薬後数時間後に軽いアカシジアが発症しましたが、その後服薬をしなかった為、翌日にはアカシジアの症状は消えていました。

当初は1日アリピプラゾール3mgを服用していたのですが、その時は直ぐに軽いアカシジアが発症しました。数年後1mgのアリピプラゾールが発売され、最低量から徐々に増量していくと、体が慣れるのかアカシジアの症状は一切発症しませんでした、しかし眠気の方が強くなったので、私はアリピプラゾールの服用を中止いたしました。

薬物療法を行う上で特に気になる事は副作用かと思います、特にお子様の場合、脳が成長段階にある時期の服薬を懸念される方も少なからずいらっしゃいます

また、もし副作用が出た際に、チックによる症状なのか?薬の副作用なのか?分かりにくい場合もあるかもしれません。

アリピプラゾールを服用する事により、少なからず起こる可能性のある、その中でもよく聞く副作用は、眠気倦怠感食欲増加体重増加(食事の量は変わらないのに)、そしてアカシジア、副作用がまったく出ない方も当然いらっしゃいます

この中で特に気を付ける必要があるのはやはりアカシジアです。

アカシジアとは?

静座不能症と訳されていて、座ったままでじっとし ていられず、そわそわと動き回るという特徴があります。 アカシジ アの原因薬では抗精神病薬によるものが多いのですが、抗うつ薬や 一部の医師から処方された胃腸薬などによっても引き起こされることがあります。※厚生労働省HP

足がムズムズしてじっとしていられない、ソワソワして何だか落ち着かないなど、服薬後直ぐに起こる場合や、暫くの服用後起こることも、その様な場合は医師の指示の元服薬を中止するか、減薬した方が良いでしょう。

しかしながら、アリピプラゾールを服用してから音声チックが軽減したなどよく聞く話ではあります、音声チックが減ったが、アカシジアが出てしまいどうするべきかお悩みになる方もいらっしゃいます

チック症・トゥレット症(症候群)への薬物療法は、基本的にベネフィットリスクのバランスを考え行うべきだと私は思います。

アカシジアが発症してしまったが、音声チックが激減している、そのような時はアキネトンなどアカシジアを抑える薬が処方される事もあります

しかし、このアキネトンも全ての方のアカシジアに効果が発揮される訳ではありません。

※基本的に副作用は服薬を中止すればなくなります

アリピプラゾールは1mgから15mg(症状によっては30mg)まで1日服用する事が可能な様ですが、量を多くすれば効果が更に上がるというものではなく、個々に最適な量があります(そもそも効果がない方も)、仮に3mgである程度の効果を感じれた場合、5mgに増量すれば更に効果が上がるとは限りません、逆に10mgから6mgに減量したら効果が上がったなどということもある様です。

アリピプラゾールに限らず、個々に合った薬やその量、複数の薬の組み合わせが見つかるまで、時間がかかってしまうこともあるかもしれませんが、論文からも薬物療法はチック症状に対して有効な治療法であると記されています。

私自身はその後一年以上の時間をかけて自分に合った薬を見つけ服用しています、そしてその効果を確実に感じています。

いずれにしてもチック症状に対する治療法はいくつかございます、効果を発揮するまでに時間のかかる事もあるかもしれませんが、どの治療法が各々の当事者に適しているのか、当事者と十分な時間をかけご検討頂けたらと思います。