ボトックス治療とは、チックが発症している部位にボトックス注射を行い、筋肉をリラックスさせ、チック症状を軽減させる治療法です。
ボトックスとはボツリヌス菌から抽出されるボツリヌストキシンといわれるタンパク質の一種です。
ボツリヌス菌は食中毒を引き起こす非常に強い毒素がありますが、このタンパク質は完全無毒化されており人体に無害の物質です。
ボツリヌストキシンは筋肉を動かす時に神経から分泌される「アセチルコリン」という神経伝達物質の作用を弱め、筋肉の緊張や痙攣が抑えられ、筋肉がリラックスした状態になります。
治療の効果は注射後2,3日後にあらわれ、1週間後には効果を実感出来るとのことですが、その効果は3~4ヶ月で失われてしまうため継続的な通院が必要です。
欧米では1970年代よりボトックスによる眼瞼痙攣、片側顔面痙攣、顔面チックなどの多くの治療に用いられているようです
日本では1996年に眼瞼痙攣、2000年に片側顔面痙攣、2001年に痙性斜頸への治療の効能を厚生労働省が承認しています。
チック症・トゥレット症(トゥレット症候群)への治療は順天堂大学医学部附属順天堂医院で行われていますが、その他の病院でもボトックス治療を行って頂ける可能性があるかと思いますので直接病院へお問い合わせください。
※ボトックス治療はどの様なチック症状に効果を発揮するのか、どの程度軽減できるのか、個人個人異なります、予めご理解ください。