❶チックへの認知行動療法を受けてみようと思った理由を教えてください。
子どものチックが増えるにつれ、先が見えない不安があり何か今できることはないものかと探し、お願いしました。また病院では軽めの薬の処方と早寝早起きと運動以外は対処法がないと言われたことが腑に落ちず、受けてみたいと思いました。
❷セッションを受ける前ご不安だったことなど何かございますか?
習い事などが忙しいので、毎日続けるという内容が継続できるかどうかが不安でした。
❸セッションを受ける前のお子様のチックの種類や状態を教えて下さい。
兄妹でチック症状がありました。
【11歳兄】今年首を後ろに動かす動作が始まり、2ヶ月くらいで急激に増加。腰から首にかけて前後に振る、という動作を数分に1度繰り返すようになっていました。
【7歳妹】兄に続いて突然首を後ろに振る動作が始まりました。当初は数分に一度あり本人がイラつくこともありましたが、セッション開始の時点では減っていました。また咳払いのような声を出したり、高い声を出す時期がありました。
2人とも幼少よりまばたきや、口を大きく開ける、などの動作はしばしばありましたが、このような大きな動きや音 声は今年が初めてのことでした。
❹セッションやホームワークではどの様なことを行いましたか?
セッションではまず谷さんが現状把握とチックというものや対処法、治療法などについて非常に丁寧に説明してくださいました。この最初の時点で既に光が見えた状態となりました。
【11歳兄】首の前駆衝動を感じ、感じたことを意思表示する練習から始まりました。その後前駆衝動を感じたら首を振らずにゆっくり顎を引いて落ち着くまで力を入れる、ということをしました。その時点で頻度が数十分に一度だったので、家にいる数時間の間にそれを気をつけて行い、その後は学校でも自分で行うようになりました。
【7歳妹】音声チックに対し前駆衝動を感じたら意思表示する練習から行い、その後前駆衝動に合わせた腹式呼吸の方法を教えていただきました。30分毎日行う時期もありましたが、減ってからは前駆衝動を感じたら行い、消失後は呼吸の練習のみできるかぎり継続しました。
❺セッションやホームワークを行っている時のお子さんの様子を教えて下さい。
セッションの際は恥ずかしがりあまりハキハキと答えることは出来ていませんでしたが、谷さんが優しく話を聞いてくださったり、zoomであるにも関わらずとても空気を察してくださったり、気持ちを理解してくださったのでとても助かりました。
谷さんのおっしゃることは分かりやすく、子どもたちは安心して応じていました。ホームワークの際は、つい普通にチックをやってしまうこともありましたが、子どもたちが効果を感じ始めてからは親が驚くくらいきちんと前駆衝動に対応していました。
❻主要セッションが終了した現在のチックの状態を教えて下さい。
兄の方は、首や腰はピーク時の10分の1〜2程度で、1日に1、2回程度です。途中から手首を動かすチックが出ましたが、そちらも10分の5程度で生活に支障はありません。
妹の方は、チックはありません。
❼セッションをお受けになられたお子さんの感想を教えて下さい。
谷さんが優しくてよかったです。チックをおさめるやり方が分かり、すごいと思いました。
❽チックへの認知行動療法に対するお母様の感想を教えて下さい。
30分毎日行っていた時期は親子ともに集中力が必要で大変でしたが、その集中が必要だと理解でき実感できたので頑張ることができました。首のチックに対する拮抗反応はとても効果を感じました。腰は特に歩いている途中はなかなか難しかったようです。谷さんにはご自身の生活の時間を使って、見ず知らずの私たちに対し親切丁寧にご対応いただき感謝しかありません。
今回谷さんにお願いして良かったことは、谷さんがただの指導する方ではなく、実際にご経験があり、実感とリアリティのあるお話を聞かせていただけたことです。体験談、対処するときの心構え、今後に向けての気持ちの持ち方、全てにおいて非常にありがたく価値のあるお話でした。
今後もまだ何かしらのチックが出るかもしれませんが、対処法の存在を分かっているという事や、チックを受け入れていけると感じたことは、この子達や親にとっての大きな武器であり今後の人生の財産になると感じています。
❾チックには様々な治療法がありますが、チックへの認知行動療法はどの様な方にお勧めできますか?
うちの子のような目立つチックに対してとてもお勧めできると思います。また、チック自体よりも痛みを伴ってしまうことが問題だということで、うちの子は強い痛みはなかったものの認知行動療法で痛みが起きずに終わったかもしれないので、その様な恐れがある場合はとてもお勧めできると思います。
❿最後にチック・トゥレット症でお悩みのお母様方は大変多くいらっしゃます、その様な方にお伝え出来る事がもしあれば、ご記載お願いいたします。
谷さんからはたくさんのことを教えていただきました。一番印象的だったのは、チック症状はチックがない人からすれば変わったものに見えるかもしれないが、人間誰しも大なり小なり何かしらの症状を持っており、それと同じだ、というようなお話です。
そう言える谷さんに力強さを感じましたし、それこそが親である自分に必要なのだと感じました。親としてどうにもできないチックには非常に悩んでおりましたが、必ずチックは変化するし、対応できると今回分かりました。受け入れて、できることをやっていけたら毎日が明るくなると思いますので皆さんも頑張っていただきたいです。谷さんに心より御礼申し上げます。